終わりは始まりか ~私達の場合~
私も確かにそう思う。

いろいろ調べてみたが、麻生くんが使う交通機関での事故もないようだ。

でも私は何となくそんな事ではないような気がしている。

「私達が麻生くんに頼り過ぎていたのよ。何とか頑張りましょう。私は現場に行ってくるから、図面と陽輝をよろしくね。」

平気なふりをしているが、自分の動揺が大きい事は自覚している。

でもここで止まっている事も出来ない。

せめて仕事に集中しよう。

その間に麻生くんから何かしら連絡が来るかもしれない。

「おはよう、美月。あれ?耀太は?」

いつの間にか麻生くんの事をそんな風に呼ぶようになった伊吹は不思議そうな顔をしている。

「うん、昨晩は来なかったのよ。」

私は伊吹に何気ない表情で答えた…、つもりだ。

「連絡は?」

< 136 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop