終わりは始まりか ~私達の場合~
私は伊吹の胸に顔をうずめて眠り込んでいる陽輝の頭に手を伸ばす。

せめて陽輝に触れていないと、気が狂いそうだ。

伊吹は左手で陽輝を抱えると、空いた右手で私を引き寄せた。

「泣けよ、泣かない美月の方が心配だ。」

「ううん、これから私がもっと頑張らなきゃ。泣いている暇はないわ。」

そう言いながらも、伊吹の心音を頬に感じる。

「もう誰の助けも必要としない。お母さんもお父さんも…、麻生くんにだって負担ばかりかけてしまったから…。これからは陽輝と二人で生きていく。」

「美月…?」

伊吹の手に力が入った。

「お前は何を考えている?」

私は伊吹のその声に何も答えなかった。











< 159 / 181 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop