勇気の魔法は恋の始まり。
「え、だって。最近よくそうやってぼーっとしてるやん。なんか考えてるんちゃうのん?」
 
やはり杏にはかなわない、水帆はおもわず苦笑する。

しかし、本当に相談するわけには行かない。

「悩みっていうか…」

 そう答えて頭を抱える。

話したとしても前提がおかし過ぎて信じてもらえる確率は低い。

そもそも人に話していいことなのだろうか。

前にも同じように迷って話さなかった記憶がある。

もちろん杏を信用していないわけではない。

「…あのね、今、真剣に読んでる漫画があってね。」

「真剣に読んでるんだ。」

 考えに考えた前提を聞いた杏はふふっと笑う。

むぅ、と膨れた水帆に杏は笑いながら先を促す。
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