政略結婚ですがとろ甘な新婚生活が始まりました
ズルッと力の抜けた手からスマートフォンが滑り落ちる。コン、とフローリングの床が小さな音を立てた。
パーティーなんて、知らない。売却って何?
一緒に住んでいるのに、私は何も聞いていない。
いくら私が部外者とはいえ、祖母と母に話しているそんな最低限のことすら教えてもらえないなんて。
その時、ひとつの結論が脳裏をよぎった。
地所の売却が終わったから、私はもう必要ない……?
元々彼と私の結婚は策略結婚だった。私は祖母の条件のために伴侶が必要で、彼は事業のために地所が必要だった。
入籍したことで私の祖母の条件はクリアできた。次は彼の番だった。だから彼は最初の約束通りに祖母の管理する地所を手に入れた。
それは最初から決まっていたことでなんの不思議もない。これでお互いの目的はかなえられた。
それはつまり、この結婚の意味はもうないという結論を導く。
ドクンドクンドクン、知らずに速くなる鼓動は私の胸を痛いほど締めつける。無意識に口元で握りしめた両手の指が冷たくて感覚がない。
ああ、だから。
彼は赤名さんにあんなことを言ったのか。
『もう少ししたらふたりの時間がとれるだろ』
彼の声が遠くから聞こえる。
私はもうお役御免なんだ。私の役目はもう終わり。
私にはもう利用価値がない。きっと彼はこれから私と別れるつもりなのだろう。
今、私たちが別れても何も問題はない。祖母は一度結婚していたのだから、もうそれほど口うるさく結婚について言わないだろうし、一旦売却した地所は買い戻すことは難しいはずだ。
すべてはわかっていたこと。私たちが望んだことの結果だ。
パーティーなんて、知らない。売却って何?
一緒に住んでいるのに、私は何も聞いていない。
いくら私が部外者とはいえ、祖母と母に話しているそんな最低限のことすら教えてもらえないなんて。
その時、ひとつの結論が脳裏をよぎった。
地所の売却が終わったから、私はもう必要ない……?
元々彼と私の結婚は策略結婚だった。私は祖母の条件のために伴侶が必要で、彼は事業のために地所が必要だった。
入籍したことで私の祖母の条件はクリアできた。次は彼の番だった。だから彼は最初の約束通りに祖母の管理する地所を手に入れた。
それは最初から決まっていたことでなんの不思議もない。これでお互いの目的はかなえられた。
それはつまり、この結婚の意味はもうないという結論を導く。
ドクンドクンドクン、知らずに速くなる鼓動は私の胸を痛いほど締めつける。無意識に口元で握りしめた両手の指が冷たくて感覚がない。
ああ、だから。
彼は赤名さんにあんなことを言ったのか。
『もう少ししたらふたりの時間がとれるだろ』
彼の声が遠くから聞こえる。
私はもうお役御免なんだ。私の役目はもう終わり。
私にはもう利用価値がない。きっと彼はこれから私と別れるつもりなのだろう。
今、私たちが別れても何も問題はない。祖母は一度結婚していたのだから、もうそれほど口うるさく結婚について言わないだろうし、一旦売却した地所は買い戻すことは難しいはずだ。
すべてはわかっていたこと。私たちが望んだことの結果だ。