政略結婚ですがとろ甘な新婚生活が始まりました
「大方、元彼氏のために伸ばしたんだろうって予想できたから。それが面白くなかったのも事実だ。でも彩乃に似合う髪型がほかにもあるって思ったのは本当だ」
イタズラが見つかった少年のような表情で、彼が言葉を続ける。
「……あの日叩いてしまってごめんなさい」
真っ赤な顔で改めて謝罪すると、彼がクスリと笑った。
「謝らなくていい。俺はあの一瞬で彩乃に恋をしたんだ。だからあの出来事には感謝している。あれから俺は必死に彩乃を捜した……俺が守りたかったんだ」
彼の言葉が恥ずかしくてまともに顔を見れない。俯こうとすると彼が私の頬に手を添えてそれをやんわり阻止した。
先刻の強引さが嘘のような繊細な触れ方に、肩がピクリと跳ねた。指先から伝わる彼の温もりが愛しくて嬉しくて泣きたくなった。
「……さっき、赤名さんに会って聞きました」
小さい声で私は、あの日彼の会社から帰宅して思ったこと、区役所に向かったこと、そこで相良さんと赤名さんに出会ったことを正直に伝えた。
彼はその間ひと言も話さずに、ただ私の髪を撫でたり頬にキスを落としていた。
私が話し終えた後、彼は長い溜め息を吐いて私をギュッと抱きしめた。私の肩口に彼のサラサラの黒髪が触れる。近すぎる距離に今さらながらドキドキしてしまう。
「あ、あの、重たいのでそろそろ降ろしてもらえたら……」
おずおずそう言うと、私を抱きしめる彼の腕に力がこもる。
「……彩乃が重いわけないだろ。むしろ軽いよ。やっと想いが通じたんだ。もう離れたくない」
この人は私の心臓をとめるつもりだろうか? 普段は言葉が少ないのに、どうしてこんなにも饒舌に愛の言葉を囁くの。
顔を上げた彼の瞳は艶やかで私は言葉を失う。
代わりに鼓動だけが狂ったようなリズムを刻む。頬の熱は下がりそうにない。
イタズラが見つかった少年のような表情で、彼が言葉を続ける。
「……あの日叩いてしまってごめんなさい」
真っ赤な顔で改めて謝罪すると、彼がクスリと笑った。
「謝らなくていい。俺はあの一瞬で彩乃に恋をしたんだ。だからあの出来事には感謝している。あれから俺は必死に彩乃を捜した……俺が守りたかったんだ」
彼の言葉が恥ずかしくてまともに顔を見れない。俯こうとすると彼が私の頬に手を添えてそれをやんわり阻止した。
先刻の強引さが嘘のような繊細な触れ方に、肩がピクリと跳ねた。指先から伝わる彼の温もりが愛しくて嬉しくて泣きたくなった。
「……さっき、赤名さんに会って聞きました」
小さい声で私は、あの日彼の会社から帰宅して思ったこと、区役所に向かったこと、そこで相良さんと赤名さんに出会ったことを正直に伝えた。
彼はその間ひと言も話さずに、ただ私の髪を撫でたり頬にキスを落としていた。
私が話し終えた後、彼は長い溜め息を吐いて私をギュッと抱きしめた。私の肩口に彼のサラサラの黒髪が触れる。近すぎる距離に今さらながらドキドキしてしまう。
「あ、あの、重たいのでそろそろ降ろしてもらえたら……」
おずおずそう言うと、私を抱きしめる彼の腕に力がこもる。
「……彩乃が重いわけないだろ。むしろ軽いよ。やっと想いが通じたんだ。もう離れたくない」
この人は私の心臓をとめるつもりだろうか? 普段は言葉が少ないのに、どうしてこんなにも饒舌に愛の言葉を囁くの。
顔を上げた彼の瞳は艶やかで私は言葉を失う。
代わりに鼓動だけが狂ったようなリズムを刻む。頬の熱は下がりそうにない。