政略結婚ですがとろ甘な新婚生活が始まりました
「なんで俺が赤名を好きだとか、そんな意味のわからないことになるんだ」
不貞腐れたように、彼が秀麗な顔をしかめて言う。
「だってふたりの距離感は自然だし、遠慮のない関係に見えて……それにもう少ししたらふたりの時間がとか言ってたじゃないですか」
負けじと唇を尖らせて不機嫌な声で反論すると、環さんが溜め息を吐いた。
「あれは……複合施設の件で残業続きだったからだよ。もう少しでひと段落して早帰りできるようになるから、相良と夫婦の時間がとれるぞって意味」
何それ……紛らわしすぎる。
彼の返答に私は胡乱な目を向ける。
「……そんな可愛い顔をするな」
そう言って彼が私の頬をそっと撫でた。甘い台詞と仕草に言葉を失う。
こんなんじゃダメ! 勘違いしていた私も私だけど、少しは文句を言いたいのに!
「か、可愛くないです! そもそも環さんが、赤名さんが既婚者だと教えてくれなかったからです。わ、私は怒ってるんですよ!」
思わず八つ当たりみたいな言い方をしてしまう。本当は怒ってなんかいないけれど、ただ悔しくて素直になれない。
「彩乃がそんな勘違いをしてるなんてわかるわけないだろ」
冷静に彼が言い返す。口調は突き放すようなのに、声音はどこまでも甘く優しい。
「ご、強引なくせに言葉が少ないの、環さんは!」
胸に響く甘い声に負けそうになりながらも、彼を睨む。
「彩乃だって俺に黙って離婚届をもらいに行っただろ? 言いたいことがあれば、直接聞くなり言うなりすればいいだろ。しかも夜にひとりで外出するなって言わなかった?」
さすが頭の切れる御曹司は責めどころを間違えない。私が彼を糾弾しているはずなのに逆に窮地に立たされる。
艶やかな微笑みがなんだか恐い。
不貞腐れたように、彼が秀麗な顔をしかめて言う。
「だってふたりの距離感は自然だし、遠慮のない関係に見えて……それにもう少ししたらふたりの時間がとか言ってたじゃないですか」
負けじと唇を尖らせて不機嫌な声で反論すると、環さんが溜め息を吐いた。
「あれは……複合施設の件で残業続きだったからだよ。もう少しでひと段落して早帰りできるようになるから、相良と夫婦の時間がとれるぞって意味」
何それ……紛らわしすぎる。
彼の返答に私は胡乱な目を向ける。
「……そんな可愛い顔をするな」
そう言って彼が私の頬をそっと撫でた。甘い台詞と仕草に言葉を失う。
こんなんじゃダメ! 勘違いしていた私も私だけど、少しは文句を言いたいのに!
「か、可愛くないです! そもそも環さんが、赤名さんが既婚者だと教えてくれなかったからです。わ、私は怒ってるんですよ!」
思わず八つ当たりみたいな言い方をしてしまう。本当は怒ってなんかいないけれど、ただ悔しくて素直になれない。
「彩乃がそんな勘違いをしてるなんてわかるわけないだろ」
冷静に彼が言い返す。口調は突き放すようなのに、声音はどこまでも甘く優しい。
「ご、強引なくせに言葉が少ないの、環さんは!」
胸に響く甘い声に負けそうになりながらも、彼を睨む。
「彩乃だって俺に黙って離婚届をもらいに行っただろ? 言いたいことがあれば、直接聞くなり言うなりすればいいだろ。しかも夜にひとりで外出するなって言わなかった?」
さすが頭の切れる御曹司は責めどころを間違えない。私が彼を糾弾しているはずなのに逆に窮地に立たされる。
艶やかな微笑みがなんだか恐い。