政略結婚ですがとろ甘な新婚生活が始まりました
それからも私たちはこれまでの言葉不足を埋めるように夜遅くまで話しあった。
その途中で交代でお風呂に入って、私はコンタクトレンズを外し、また話し続けていた。入浴を終えて再び環さんの膝に抱き上げられたことは覚えている。
でもその後の記憶が曖昧だ。髪を撫でてくれる環さんの温かな手が心地よくて私はウトウトしてしまっていた気がする。
目が覚めると、寝室のベッドの上にいて、いつものように私の身体には彼の長い腕が巻き付いていた。
私……あのまま昨日寝てしまったんだ。
きっと環さんが私をここまで運んでくれたのだろう。
ブラインドの隙間からは朝の光が微かに差し込んでいた。
至近距離に迫る綺麗すぎる顔立ち。昨日までは彼に抱きしめられることが切なくて悲しかった。
このベッドに眠ることすら胸が痛んだ。いつか離れなければいけないと思うと辛くて胸が引きちぎられそうだった。
今は違う。
彼の腕の中はとても温かくて、この場所がとても愛おしい。ドキドキするのに言葉にならない泣きそうな安堵感が身体中を満たしていく。
そうっと起こさないように身じろぎして彼の顔を覗き込む。癖のない艶やかな黒髪の下で、細く長い睫毛が伏せられている。
眠っているだけなのに、この漂う色香はなんだろう。
「……見すぎ」
低い掠れた声が響く。開いた瞼の下から現れる漆黒の瞳が私を甘く見つめる。
ドキン、と鼓動がひとつ大きな音をたてた。
「お、おはよう、ございます……あの、は、運んでいただいてありがとうございます。き、昨日は寝てしまってごめんなさい……」
色香の漂う彼の姿に慌ててしまう。途端に彼は険しい表情を浮かべる。
「なんで敬語?」
「えっと、その」
ああ、もう。そんな急に順応できないのに!
寝起きの彼の姿は色気がありすぎて心臓に悪い。ただでさえ、こんなに長い時間を一緒に過ごすことは初めてで、戸惑いのほうが大きい。
「敬語は禁止」
そう言って彼は私の額に羽のようなキスを落とした。それだけで私は悲鳴を上げたくなった。
その途中で交代でお風呂に入って、私はコンタクトレンズを外し、また話し続けていた。入浴を終えて再び環さんの膝に抱き上げられたことは覚えている。
でもその後の記憶が曖昧だ。髪を撫でてくれる環さんの温かな手が心地よくて私はウトウトしてしまっていた気がする。
目が覚めると、寝室のベッドの上にいて、いつものように私の身体には彼の長い腕が巻き付いていた。
私……あのまま昨日寝てしまったんだ。
きっと環さんが私をここまで運んでくれたのだろう。
ブラインドの隙間からは朝の光が微かに差し込んでいた。
至近距離に迫る綺麗すぎる顔立ち。昨日までは彼に抱きしめられることが切なくて悲しかった。
このベッドに眠ることすら胸が痛んだ。いつか離れなければいけないと思うと辛くて胸が引きちぎられそうだった。
今は違う。
彼の腕の中はとても温かくて、この場所がとても愛おしい。ドキドキするのに言葉にならない泣きそうな安堵感が身体中を満たしていく。
そうっと起こさないように身じろぎして彼の顔を覗き込む。癖のない艶やかな黒髪の下で、細く長い睫毛が伏せられている。
眠っているだけなのに、この漂う色香はなんだろう。
「……見すぎ」
低い掠れた声が響く。開いた瞼の下から現れる漆黒の瞳が私を甘く見つめる。
ドキン、と鼓動がひとつ大きな音をたてた。
「お、おはよう、ございます……あの、は、運んでいただいてありがとうございます。き、昨日は寝てしまってごめんなさい……」
色香の漂う彼の姿に慌ててしまう。途端に彼は険しい表情を浮かべる。
「なんで敬語?」
「えっと、その」
ああ、もう。そんな急に順応できないのに!
寝起きの彼の姿は色気がありすぎて心臓に悪い。ただでさえ、こんなに長い時間を一緒に過ごすことは初めてで、戸惑いのほうが大きい。
「敬語は禁止」
そう言って彼は私の額に羽のようなキスを落とした。それだけで私は悲鳴を上げたくなった。