政略結婚ですがとろ甘な新婚生活が始まりました
「……梁川さん、ですよね。そうか、あなたが彩乃の……彼女をお願いします」
環さんの表情から察したのか、堂々と話す隆の顔は、晴れ晴れとしていた。
「ええ。彩乃は俺の最愛の妻です。俺の全部で彼女を守って一生大事にします」
厳しい眼差しはそのままに、環さんがきっぱりと返事をする。トクンと鼓動が跳ねた。彼の真摯な言葉に涙が滲む。
「それを聞いて安心しました。じゃあな、彩乃、元気で」
晴れやかな笑顔でそう言って、彼は私たちの横を通り過ぎ、去っていった。
「あ、あの。環さん、彼は……」
突然の旦那様の登場に焦りながら、事情を説明しようと彼と向き合い、口を開く。
「……知ってる、元彼氏だろ」
憮然とした表情で彼が言う。
彼は緩く私の腰に片手を回す。もう一方の手は私の肩先の髪を弄んでいる。
環さんはあの日、隆に会っている。皮肉なことに隆と最後に会話した日が彼との出会いの日だ。
「偶然、会ったの。今更だけど、やっと彼と向き合って話せた気がするの」
環さんは何も言わない。ただ、私が話すのを待っているかのように私を見つめる。
「……彼に未練があるわけじゃないの。私、ただ彼にずっと謝りたかったの」
小さな声で話す私に、彼がほんの少し眉をひそめた。
こんな話、やっぱり聞きたくなかったよね。私の過去の恋愛話なんて、いい気はしないだろうし。環さんには何も隠さずに話したいなんて、私の自己満足なのかもしれない。
だけどそれでも、伝えたかった。
環さんと出会って恋をしたから、環さんが私を諦めずにいて、受け入れてくれたから、今の私があることを。環さんのおかげで隆と最後に向き合えたこと、謝罪できたことを知ってもらいたかった。
これが正解かわからない。ただ環さんには正直でいたい。
彼は黙って私の話を聞いてくれた。
環さんの表情から察したのか、堂々と話す隆の顔は、晴れ晴れとしていた。
「ええ。彩乃は俺の最愛の妻です。俺の全部で彼女を守って一生大事にします」
厳しい眼差しはそのままに、環さんがきっぱりと返事をする。トクンと鼓動が跳ねた。彼の真摯な言葉に涙が滲む。
「それを聞いて安心しました。じゃあな、彩乃、元気で」
晴れやかな笑顔でそう言って、彼は私たちの横を通り過ぎ、去っていった。
「あ、あの。環さん、彼は……」
突然の旦那様の登場に焦りながら、事情を説明しようと彼と向き合い、口を開く。
「……知ってる、元彼氏だろ」
憮然とした表情で彼が言う。
彼は緩く私の腰に片手を回す。もう一方の手は私の肩先の髪を弄んでいる。
環さんはあの日、隆に会っている。皮肉なことに隆と最後に会話した日が彼との出会いの日だ。
「偶然、会ったの。今更だけど、やっと彼と向き合って話せた気がするの」
環さんは何も言わない。ただ、私が話すのを待っているかのように私を見つめる。
「……彼に未練があるわけじゃないの。私、ただ彼にずっと謝りたかったの」
小さな声で話す私に、彼がほんの少し眉をひそめた。
こんな話、やっぱり聞きたくなかったよね。私の過去の恋愛話なんて、いい気はしないだろうし。環さんには何も隠さずに話したいなんて、私の自己満足なのかもしれない。
だけどそれでも、伝えたかった。
環さんと出会って恋をしたから、環さんが私を諦めずにいて、受け入れてくれたから、今の私があることを。環さんのおかげで隆と最後に向き合えたこと、謝罪できたことを知ってもらいたかった。
これが正解かわからない。ただ環さんには正直でいたい。
彼は黙って私の話を聞いてくれた。