政略結婚ですがとろ甘な新婚生活が始まりました
パーティー当日。
初夏らしく、朝は清々しく晴れ渡って綺麗な青空が広がっていた。
「彩乃のドレスの色だな」
誰よりも愛しい旦那様がそう言って、繋いだ指にキスをする。
私は彼とともに随分早い時間からパーティー会場に到着していた。私は今朝から全身をそれこそお姫様のように着飾ってもらった。環さんはそんな私を見て何度も綺麗だと褒めてくれた。
会場は都内にある、梁川百貨店と付き合いの深い老舗ホテル。
今までこんなに豪華なホテルに足を運んだことはなく、ましてやパーティーになんて出席したことのない私は、昨日から緊張でガチガチだった。
最終的な打ち合わせ等で環さんは直前までとても忙しく、私は自分の気持ちを伝えることを躊躇っていた。
けれど、洞察力の鋭い旦那様はそんな私をいつものように寝室でギュッと抱きしめてくれた。
『緊張すると思うけど、大丈夫だ。彩乃のことは俺が絶対に守る。明日は俺が彩乃への気持ちを告白する場なんだ。彩乃は結婚式の予行練習だとでも思っていてくれたらいい』
彼の言葉は魔法のように私の胸に沁みこみ、緊張と不安でいっぱいだった心をゆっくりとほぐしてくれた。
今日、彼は私と結婚したことを公にする。既に最小限の人には私たちの結婚は伝えてある。けれど公式な催しなどにふたりで出席したこともなく、まだ結婚式も挙げていないので信憑性はなく、世間では半信半疑になっていると赤名さんが教えてくれた。
赤名さんとはあれからとても仲良くなった。赤名さんはとても素敵な女性で優しくて思いやり深い人だった。
産まれた時から梁川百貨店で過ごしてきた彼女はしきたりにも詳しく、センスも抜群だ。今では私の先生兼姉のような存在だ。彼女と私は雇用関係にないので華さんと呼ばせてほしい、というと涙ぐんで喜ばれた。
ただし環さんは自分と同列な呼び方で気に入らないと言って、ふたりでいまだに喧嘩している。
マナー教育等正式なものをうけたことのない私に、華さんが今回のパーティーのため付きっきりで教えてくれた。
彼はそんなに頑張らなくていいと言うけれど、彼の妻としてできる努力を重ねていきたい。前向きに何事も頑張っていきたい。
初夏らしく、朝は清々しく晴れ渡って綺麗な青空が広がっていた。
「彩乃のドレスの色だな」
誰よりも愛しい旦那様がそう言って、繋いだ指にキスをする。
私は彼とともに随分早い時間からパーティー会場に到着していた。私は今朝から全身をそれこそお姫様のように着飾ってもらった。環さんはそんな私を見て何度も綺麗だと褒めてくれた。
会場は都内にある、梁川百貨店と付き合いの深い老舗ホテル。
今までこんなに豪華なホテルに足を運んだことはなく、ましてやパーティーになんて出席したことのない私は、昨日から緊張でガチガチだった。
最終的な打ち合わせ等で環さんは直前までとても忙しく、私は自分の気持ちを伝えることを躊躇っていた。
けれど、洞察力の鋭い旦那様はそんな私をいつものように寝室でギュッと抱きしめてくれた。
『緊張すると思うけど、大丈夫だ。彩乃のことは俺が絶対に守る。明日は俺が彩乃への気持ちを告白する場なんだ。彩乃は結婚式の予行練習だとでも思っていてくれたらいい』
彼の言葉は魔法のように私の胸に沁みこみ、緊張と不安でいっぱいだった心をゆっくりとほぐしてくれた。
今日、彼は私と結婚したことを公にする。既に最小限の人には私たちの結婚は伝えてある。けれど公式な催しなどにふたりで出席したこともなく、まだ結婚式も挙げていないので信憑性はなく、世間では半信半疑になっていると赤名さんが教えてくれた。
赤名さんとはあれからとても仲良くなった。赤名さんはとても素敵な女性で優しくて思いやり深い人だった。
産まれた時から梁川百貨店で過ごしてきた彼女はしきたりにも詳しく、センスも抜群だ。今では私の先生兼姉のような存在だ。彼女と私は雇用関係にないので華さんと呼ばせてほしい、というと涙ぐんで喜ばれた。
ただし環さんは自分と同列な呼び方で気に入らないと言って、ふたりでいまだに喧嘩している。
マナー教育等正式なものをうけたことのない私に、華さんが今回のパーティーのため付きっきりで教えてくれた。
彼はそんなに頑張らなくていいと言うけれど、彼の妻としてできる努力を重ねていきたい。前向きに何事も頑張っていきたい。