政略結婚ですがとろ甘な新婚生活が始まりました
そう言って叔母との通話を終えた。

叔母のことは好きだ。どちらかというと放任主義的な両親とは一風変わって、結婚をせっつく祖母と私の間を取り持ってくれている。

叔母は洋食器を専門に扱う小さな店を経営している。最近はそこに紅茶を置くことも考えているらしい。そのため未歩ちゃんはよくこうしてお勧めの茶葉を叔母に送っている。

百貨店に行くならきちんとした格好をしたほうがいいと思い、部屋着から真っ白のセーターとパールピンクのパンツに着替える。化粧をするために鏡を覗き込む。

うなじにかかるかかからないか、くらいの長さになった毛先を無造作に指で引っ張る。

眞子と電話してすぐの休日に髪を切った。断じて彼に言われたからではない、と自分に言い聞かせ、髪型を変えた。

眞子は私の新しい髪型を見てなぜか楽しそうに笑った後、そのほうが断然似合うと手放しに褒めてくれた。

化粧を終えてベージュのコートを羽織り、ショートブーツを履く。スッキリした首元を庇うように、真っ白のマフラーを巻いて私は叔母の自宅に向かった。叔母の自宅は私の家から電車で三十分ほどの場所にある一軒家だ。

玩具メーカーに勤めている叔父は仕事で留守だった。リビングに通され、座り心地の良いソファに腰をおろす。

いつものように叔母と他愛のない話をして、楽しんだ。未歩ちゃんが送ってくれた紅茶は本当においしかった。
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