政略結婚ですがとろ甘な新婚生活が始まりました
「面白い。本当に君は予想外なことをしてくれる」
その反応に瞬きを繰り返す。
……どうして怒っていないの?
「あの……」
「俺が怒ってるかもしれない、叔母さんにばれたらどうしようかってビクビクしている君が本当に可愛くてたまらなかった」
長めの髪をかき上げながら、心底おかしそうに言う。
「あんなことでいつまでも怒っているわけないだろ?」
相変わらずクックッと笑い続ける姿に気が抜けると同時にムッとする。
「わ、私のことをご存じだったならあんな演技をなさらなくてもいいじゃないですか!」
初対面のように振る舞った姿を思い出しながら言い返すと、楽しそうに見つめられた。
「酷いな、叔母さんには聞かれたくなさそうだと思って配慮したのに」
「……ありがとうございます」
まったく気持ちのこもっていない平坦な声で応答する。失礼だとわかっていても思わず口に出てしまう。
「そうやって素直に感情を出せばいいのに」
その言葉が胸を抉る。言い返そうとして、自分に驚愕する。
初対面に近い異性なんて、今までまともに会話できたことがなかったのに。彼は職場の人間ではないし、仕事関係の人でもない。なのにどうしてこんなに素直に自分の感情を伝えられるのだろう。
「あ、あなたに関係ありません!」
浮かんだ疑問を誤魔化すように声を張り上げた。余計なお世話だと言わんばかりに彼を睨み付ける。
私の気持ちも事情も何ひとつ知らないくせに、詮索をしないで。
その反応に瞬きを繰り返す。
……どうして怒っていないの?
「あの……」
「俺が怒ってるかもしれない、叔母さんにばれたらどうしようかってビクビクしている君が本当に可愛くてたまらなかった」
長めの髪をかき上げながら、心底おかしそうに言う。
「あんなことでいつまでも怒っているわけないだろ?」
相変わらずクックッと笑い続ける姿に気が抜けると同時にムッとする。
「わ、私のことをご存じだったならあんな演技をなさらなくてもいいじゃないですか!」
初対面のように振る舞った姿を思い出しながら言い返すと、楽しそうに見つめられた。
「酷いな、叔母さんには聞かれたくなさそうだと思って配慮したのに」
「……ありがとうございます」
まったく気持ちのこもっていない平坦な声で応答する。失礼だとわかっていても思わず口に出てしまう。
「そうやって素直に感情を出せばいいのに」
その言葉が胸を抉る。言い返そうとして、自分に驚愕する。
初対面に近い異性なんて、今までまともに会話できたことがなかったのに。彼は職場の人間ではないし、仕事関係の人でもない。なのにどうしてこんなに素直に自分の感情を伝えられるのだろう。
「あ、あなたに関係ありません!」
浮かんだ疑問を誤魔化すように声を張り上げた。余計なお世話だと言わんばかりに彼を睨み付ける。
私の気持ちも事情も何ひとつ知らないくせに、詮索をしないで。