政略結婚ですがとろ甘な新婚生活が始まりました
「でも俺には君が必要だ」
甘い声を響かせて、彼は大きな手を私の右手の上にふわりと置いた。
意外なほどの温かな声音と伝わる温もりに驚く。
見つめた彼の夜色の瞳はとても優しかった。その温もりと優しさに不覚にも涙が滲みそうになる。
ドクン、と大きく鼓動が跳ねた。
私を求めてくれているの?
その言葉が私の壊れそうな心に沁みこんでいく。
この人は私を疎ましく思っているわけではないの?
湧き上がる不可解な感情に流されそうになる。
「君との結婚は俺にはとても都合がいい。毎日のように家族から結婚をせっつかれることも、招待されるパーティーへの同伴者選びに煩わされることもなくなる。君のお亡くなりになられたおじい様と俺の祖父は親友同士だったから家族からの反対もない」
彼は饒舌に私と見合いをし、結婚することのメリットを上げていく。
その言葉に、私のおめでたく勘違いしていた頭が急速に冷えていく。
……私は何を期待していたの?
彼は『私』を求めたのではない。
私に個人的な感情なんて持ち合わせていない。
「君のおばあ様が管理されている地所の一角に、服飾に特化した総合施設の建設を検討中だ。国内外のブランド、メーカーに既に声をかけている。そこには他社から再開発の話もでているみたいだが、君と婚姻関係を結ぶことで当社は有利になる」
綺麗な笑みを浮かべたまま、彼はまさに政略結婚としか思えない条件をすらすらと口にした。傍から見れば、見目麗しい男性に熱烈に口説かれているように見えるかもしれない。
甘い声を響かせて、彼は大きな手を私の右手の上にふわりと置いた。
意外なほどの温かな声音と伝わる温もりに驚く。
見つめた彼の夜色の瞳はとても優しかった。その温もりと優しさに不覚にも涙が滲みそうになる。
ドクン、と大きく鼓動が跳ねた。
私を求めてくれているの?
その言葉が私の壊れそうな心に沁みこんでいく。
この人は私を疎ましく思っているわけではないの?
湧き上がる不可解な感情に流されそうになる。
「君との結婚は俺にはとても都合がいい。毎日のように家族から結婚をせっつかれることも、招待されるパーティーへの同伴者選びに煩わされることもなくなる。君のお亡くなりになられたおじい様と俺の祖父は親友同士だったから家族からの反対もない」
彼は饒舌に私と見合いをし、結婚することのメリットを上げていく。
その言葉に、私のおめでたく勘違いしていた頭が急速に冷えていく。
……私は何を期待していたの?
彼は『私』を求めたのではない。
私に個人的な感情なんて持ち合わせていない。
「君のおばあ様が管理されている地所の一角に、服飾に特化した総合施設の建設を検討中だ。国内外のブランド、メーカーに既に声をかけている。そこには他社から再開発の話もでているみたいだが、君と婚姻関係を結ぶことで当社は有利になる」
綺麗な笑みを浮かべたまま、彼はまさに政略結婚としか思えない条件をすらすらと口にした。傍から見れば、見目麗しい男性に熱烈に口説かれているように見えるかもしれない。