政略結婚ですがとろ甘な新婚生活が始まりました
翌週の週末には私の実家に挨拶に向かった。
祖母も両親も彼を温かく迎え入れた。彼は緊張した様子も見せずに、普段通り堂々としていた。
「彩乃さんを一生大切にします。どうか結婚をおゆるしください」
実家の和室に通された彼が型通りの挨拶を真剣にしてくれたことに驚いた。しかも座卓を挟んで向かい合う両親に対し、きちんと正座して頭まで下げてくれた。
彼の態度に私のほうが狼狽えた。
呑気な母は「あら、彩乃ちゃんったら感動しちゃったの?」なんて見当違いなことを言っていた。父は「彩乃が決めたことなら反対しないよ」といつもと変わらない穏やかな笑みを浮かべていた。祖母は普段のいかめしい表情をほんの少し緩めて、私を祝福してくれた。
「……条件をつけて結婚を急かしてしまって悪かったね」
小さな声でそう言った祖母は、いつもより老いて見えた。その祖母の言葉に胸がズキリと痛んだ。
「彩乃は彼と添い遂げることに異論はないのかい」
和室で両親と談笑する彼から離れ、台所でお茶を給仕していた私の傍にやってきた祖母がおもむろに声をかけた。
「結婚するようには言ったけれど、無理強いをするつもりはないよ。可愛い孫には幸せになってもらいたいからね。事業用地の件はなんとでもなる。あちらさんは随分なお家だしね」
彼の家がとんでもなくセレブな家であることを暗に心配している祖母に、私は小さく首を横に振った。
祖母も両親も彼を温かく迎え入れた。彼は緊張した様子も見せずに、普段通り堂々としていた。
「彩乃さんを一生大切にします。どうか結婚をおゆるしください」
実家の和室に通された彼が型通りの挨拶を真剣にしてくれたことに驚いた。しかも座卓を挟んで向かい合う両親に対し、きちんと正座して頭まで下げてくれた。
彼の態度に私のほうが狼狽えた。
呑気な母は「あら、彩乃ちゃんったら感動しちゃったの?」なんて見当違いなことを言っていた。父は「彩乃が決めたことなら反対しないよ」といつもと変わらない穏やかな笑みを浮かべていた。祖母は普段のいかめしい表情をほんの少し緩めて、私を祝福してくれた。
「……条件をつけて結婚を急かしてしまって悪かったね」
小さな声でそう言った祖母は、いつもより老いて見えた。その祖母の言葉に胸がズキリと痛んだ。
「彩乃は彼と添い遂げることに異論はないのかい」
和室で両親と談笑する彼から離れ、台所でお茶を給仕していた私の傍にやってきた祖母がおもむろに声をかけた。
「結婚するようには言ったけれど、無理強いをするつもりはないよ。可愛い孫には幸せになってもらいたいからね。事業用地の件はなんとでもなる。あちらさんは随分なお家だしね」
彼の家がとんでもなくセレブな家であることを暗に心配している祖母に、私は小さく首を横に振った。