政略結婚ですがとろ甘な新婚生活が始まりました
どうして赤名さんが環さんに叱られるのだろう? 何か不都合があるのだろうか?
『様』付けはやめてほしいと言うと赤名さんは再び瞬きを数回し、『彩乃さん』と呼んでくれた。
ちなみに赤名さんのことも敬称不要だと言われたが、さすがにそれは固辞した。彼女は私の秘書ではないし、そもそも私の世話をしてもらっていることすら、申し訳なさを感じる。
「夕食は召し上がりました?」
「いえ、まだ……」
私の返答に彼女は綺麗に整えられた眉をひそめた。
「念のため、お弁当を用意してまいりました。よろしければ召し上がってください」
そう言って赤名さんはダイニングテーブルに置かれた紙袋を手の平で指し示す。そこで私は赤名さんとずっと立ち話をしていたことに気づく。
「す、すみません! 私ったらお茶も出さず……」
慌てる私に彼女はやんわりと告げる。
「私はすぐにお暇いたしますのでお気遣いは不要です。何かご要望はございませんか?」
赤名さんが優しく問う。
私はキッチンの勝手がわからないこと、鍵がなく外出できないこと、このあたりの買い物ができる場所を教えてほしいことなどを話した。
彼女は私の言葉に段々表情を険しくさせていく。眉が吊り上がっていくのがわかる。
……私は何か余計なことを言ってしまったのだろうか。
続けて寝具のことも尋ねようかと考えたけれど、赤名さんに話すことがなんだか恥ずかしくて結局口には出せなかった。
今日はあのソファで休んで後日環さんに尋ねよう、そう決めた。
『様』付けはやめてほしいと言うと赤名さんは再び瞬きを数回し、『彩乃さん』と呼んでくれた。
ちなみに赤名さんのことも敬称不要だと言われたが、さすがにそれは固辞した。彼女は私の秘書ではないし、そもそも私の世話をしてもらっていることすら、申し訳なさを感じる。
「夕食は召し上がりました?」
「いえ、まだ……」
私の返答に彼女は綺麗に整えられた眉をひそめた。
「念のため、お弁当を用意してまいりました。よろしければ召し上がってください」
そう言って赤名さんはダイニングテーブルに置かれた紙袋を手の平で指し示す。そこで私は赤名さんとずっと立ち話をしていたことに気づく。
「す、すみません! 私ったらお茶も出さず……」
慌てる私に彼女はやんわりと告げる。
「私はすぐにお暇いたしますのでお気遣いは不要です。何かご要望はございませんか?」
赤名さんが優しく問う。
私はキッチンの勝手がわからないこと、鍵がなく外出できないこと、このあたりの買い物ができる場所を教えてほしいことなどを話した。
彼女は私の言葉に段々表情を険しくさせていく。眉が吊り上がっていくのがわかる。
……私は何か余計なことを言ってしまったのだろうか。
続けて寝具のことも尋ねようかと考えたけれど、赤名さんに話すことがなんだか恥ずかしくて結局口には出せなかった。
今日はあのソファで休んで後日環さんに尋ねよう、そう決めた。