愛の囁き☆私は強くない番外編☆
「うそ、やっぱり誰かと待ち合わせしてたんだ」
下を向きながら、何かに腹を立てているのか、泣きそうな顔をしながら私を前を通り過ぎて行った。
「あの…」
私は呼び止めた。
振り返った私を見た倉橋さんは、驚き、うんざりした表情を見せた。
「どうしてここにまだいるの?」
「彼が、まだ会社だって言うから待ってるんです」
私は嘘をついた。
電話を取ってくれない拓真さんが、会社にいるとか分からないのに。
それを聞いた倉橋さんは、さらにうんざりしたようだった。
そしてどこかに電話していた。
「待ってるから来て!」
無言のままいると、私の前に拓真さんが来た。
嘘、私の電話には出ないのに…そして、倉橋さんに何かを言っていた。
その時、後ろに私がいるのが見えたようだった。
表情が一変した。