一途な騎士はウブな王女を愛したくてたまらない
やがて、冷たい水飛沫と大量の水が叩きつけられる轟音に肩を小さく寄せながら進むメアリの眼前に現れたのは、ぽっかりと大きな口を開けた洞窟の入り口。
岩が仄かに青白く光り、幻想的な雰囲気を醸し出しているが、ここがイアンの話してた魔物が棲み着いているという洞窟なのではとメアリは眉を顰めた。
「もしかしてこの洞窟に入るの?」
「そうだよメアリ。でも、目的地はもっと先だ」
「先? この洞窟はどこかに繋がっているの?」
繰り返し質問を投げかけるメアリに、ユリウスは「ふぅん」と首を傾げる。
「その様子だと、やっぱり俺の行動まで視えていたわけじゃなかったのか」
「……え?」
ユリウスの言葉に、メアリは目を丸くした。
先程まで微笑みを浮かべていたはずのユリウスの瞳が冷たさを滲ませ、動きを止めたメアリを見つめる。
「予知と言ってもどこまでも視えるんじゃないんだな」
背後で轟々と響く滝の音はうるさい程だが、それでも、ユリウスが口にした予知という言葉はメアリの耳にはっきりと届いた。