Jelly

安藤さんが今まで積んできたキャリアを知っていながら全部無視して、俺は一体何を見ていたんだろう。

「これは別に優月に限ったことじゃないけどさ。人は何かあるとすぐに個人を責めたがる。そのほうが気持ちが治まるからな。

人の印象なんて九十日で完全に固まってる。チームの中に出来てしまった有害な壁を取っ払うには、どうしたらいい」

「……まず、誰かのせいにするのをやめないと。それから、環境が俺たちの仕事の邪魔をするなら、それを全部ぶっ壊す。

もう、お互いの分野には介入しないなんて余裕かましてる場合じゃないよね。とにかく、今のシステムをこのままクライアントに渡したらその時点でウィンウィンもクソもないし」

「やっといつもの勢いが出てきたな」
神長はにやりと笑う。

「……俺、そんなに死んでた？」