Jelly
……やっぱり、俺が何を考えたってどうせ無駄なんだ。周りの社員たちのほっとしたような表情に、気が付けば膝の上で手のひらを握り締めていた。

「ですが」
 翻った言葉に、注目が集まる。

「私も新しくシステム開発をする、という点においては成澤に賛同します」

 俺は思わず、椅子から立ち上がりそうになった。どよめきが起こり、プロジェクトに参加していない者も含めた、みんなが驚きの目を神長に向けた。

「頭を切り替えて、フルスクラッチ開発はどうでしょうか。フォーマットの流用を前提にゼロスタートすれば、一見手間が省けるようですが、取り組んできたものが頭の中に残っているだけに、コーディングのミスが増加します。

その点フルスクラッチなら余剰なコードをそぎ落とせる上に自由度も高い。拡張性を見極めた上で本当に必要なものだけを作れば、納期までにいけるかと」
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