Jelly
「あの、俺……、スクラッチ開発ならそれなりに自信があります。チームのみんなは俺よりももっと経験があるし。だから、今のチームのまま新しいシステム開発をやらせてもらえませんか。現行のシステムは――」

そのまま神長に視線を送った。最小限の労力で動くシステムを作る。そう、これはもう神長抜きじゃ成功させられない。これでいいんだよね、神長。

心の声を察したように、神長は頷いてくれた。

「引き継ぎます。現状も大方把握しているので問題ありません。ただ、クライアントとのミーティングは替われない。安藤さんにはクライアントを最後まで騙し続ける、いちばん嫌な役割をお願いしなければなりません」

「チーム全員の同意が必要だな。答えは?」社長はみんなの顔を見渡した。

 突然重要な決断を迫られて、それぞれが不安げな表情のまま顔を見合わせる。そして判断を託すかのように安藤さんに視線を向ける。

こんなときに最終的な決断を下すのはやっぱり安藤さんになる。それまで黙って話を聞いていたけれど、覚悟を決めたようだった。
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