Jelly
「うっそ、くれるの? なんで?!」
「お前今日誕生日じゃなかったっけ」

 言われて、時計の文字盤に目を送る。

「あ、ほんとだ。俺誕生日だ。……あれ? でも何で知ってるの」
「去年、この世の終わりみたいにわめいてただろ。『誕生日の前日になって彼女に振られた』って」

「あー……そういえば、そんなこともあったかも。えーっと、何ちゃんだったっけ」
「リオちゃん」

「あー、そうそう。リオちゃん! よく覚えてるね」

 たった一年前だっていうのに、今となっては彼女の苗字も、名前がどんな漢字だったかすら思い出せないんだから、俺の記憶力も相当危ない。

「ま、いちいち引きずらないのは優月の長所か。新システムもその調子でよろしく」
「なんかみんなの言う俺の長所ってさ、全部短所の裏返しっぽいんだけど気のせい?」
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