Jelly
「あのさあ、俺思ったんだけど。前に神長に寿司おごってもらったじゃん、たぶん結構高いやつ」
「うん?」

「でもあの時ずっと考え事してて、ぜんぜん味覚えてないっていうか、正直に言えば何食べたかも曖昧でさ。それ思い出したらさ、また魚食べたいなって」

「ああ、そう。じゃあ三崎でも行こうか。現地でいい?」
 おごってもらっておきながら酷い言い草だったかも、と思ったけど、神長は気にしている様子もない。

「うん、すぐ支度するよ。時間は、うーん一時半くらい?」
「じゃ、一時半で」

 通話を終えると、かき集めた服を洗濯機に投げ込みながら、今度はスマホで時間を逆算。

「えーと、川崎から三崎口……。あれ? 一時間かかるってことは、もう今出ないと駄目だし」

 電話して時間を遅らせてもらおうかと思ったけど、そうすると今度は海に行く時間がなくなる。とりあえずリュックをひっくり返して入っていた荷物を出す。タ

オルとシュノーケルマスクとスマホと財布と水着と……あとなんだ? 考えながら、洗面台で寝癖のついた髪を石鹸で洗ってタオルで拭く。
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