総長さんが甘やかしてくる②(※イラストあり)


俺から視線をそらす燐に

こっち向けよと。願わずにはいられなかった。


「大切にしたいから、だ」

「……え?」


再び、燐の目が俺を捉える。

その瞳は揺れていて。

どこか、怯えた小動物のようで。


――なんで守りたくなっちまうかな。


「いいか、燐。いま俺の中にあるお前への気持ちは、正体不明なんだ。そんなハイハイって切り替えられるかよ。俺が不器用なこと知ってんだろ。じゃあ一回だけって、軽く言えるかよ。流していいことかよ。答えを急ぐなアホ」

「……めんどくさいね。YESかNOで答えてよ」

「お前も曖昧なんだろ」

「オレのは普通に性的なやつだけど」

「ンなっ……」

「さっさとジェンダー超えたことしたい。キミが泣くまで可愛がりたい」

「可愛い顔してホントぶっとんでんなテメェは」

「“可愛い”……?」


燐の顔が、赤くなる。


「なに照れてんだよ」

「……だって……やっと認めたなって。思って」


ここで本気で照れられると反応に困るわ。


「うるせぇ。今のは……アレだ。つい。うっかり」

「案外大丈夫そうだね」

「なにが」

「今、キスしちゃっても」

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