冥界の王子様




「…え?」




「お母さんの辛い姿を見たレイナの中に

許せないって気持ちが生まれるのは当然だとおもう


…だけど。

それでもリクに対して生まれた好きって気持ちは

消せないと思う。


俺はレイナが幸せになる道を選んで欲しい


お母さんのこと、お父さんのこと

考えるだろうけど


レイナは自分の気持ちをもっと大切にしてほしい



なんか、これじゃ俺がリクを勧めてるみたいで嫌だけど笑」




たしかにあの時

これで付き合ったらお母さんはなんて思うかとか

そんなことも考えて

自分のリクへの気持ちを忘れていた。



「トウマくん、ありがとう」




トウマくんの言葉がこの何年かのモヤモヤを晴らしてくれた。





「おうっ

って言いたいとこだけど

俺ら付き合ってたの覚えてる?」




「ふへぇっ?」




「ふっなにそのマヌケな返事」




た、たしかにマヌケだったかもしれないけど

付き合ってるとか言うから。


…ん?そういえば。



トウマくんのお家で告白されて…



「思い出しました、」







「ウソウソ!

あの時は強引にごめんね?

付き合うってお互いに同じ気持ちじゃなきゃ

あれはノーカウント!


早く行っておいで!」




「はいっ!」





トウマくんに背中を押され

お父さんに電話をして今日のキャンセルを伝え

リクの元へ行った。


変な考えが生まれないうちに。


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