【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
わたし抜きで、あれよあれよという間に話が進んでしまった。

どうして今日神永さんが来たのか、どうして今日契約をするつもりになったのか。

〝どうして〟ばかりが頭の中をぐるぐるまわる。

わたしはそのまま、目の前のふたりのやりとりをじっと眺めているしかできなかった。

「それで、わがままは承知で上司の宮沢さんにお願いしたいことがあるのですが」

急に神永さんがあらたまったので、わたしははじかれたように意識を戻した。

いったい何を言うつもりなんだろうか。不安になって彼をじっと見つめてしまう。

彼を意図的に避けてしまっていた態度は失礼極まりなかった。それを責められても仕方ない。

わたしは覚悟を決めたけれど、彼はわたしの予想に反してにっこりと笑っていた。

「これからのことを話したいのですが、このまま彼女をお借りしてもよろしいでしょうか?わたしの都合がありまして、外でお話をしたいのですが」

「え? 尾関を? かまいません、かまいません! どんどん持って行ってください」

神永さんの申し出を宮沢課長は快諾した。
< 116 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop