【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
「じゃあ、お先に~」

 軽やかに去っていく芽衣子さんの後姿を見て、ふと想像する。

 もし神永さんの知り合いを紹介してもらうとしたら、合コンだろうか。そうすればもちろん神永さんも参加するのだろうか。

 どういうタイプの女の子が好きなのかな……。

 いや、いや。そんなこと考えてどうするつもり?

「あーもうっ!」

 小さくつぶやいて頭を振った。

 そんなわたしを見ていた課長が射抜くような視線を向けてきた。

「尾関! とりあえず、何としても口座開設してもらうんだ。彼は金の卵を産むガチョウなんだからな!」

 なんだかよくわからないたとえをされて、げんなりする。


「は……はい」

 力ない返事をして、まずはどうにかアポイントを取ることから始めようと受話器に手をかけた。


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