【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
結局アポイントが取れたのは、金曜日の夕方。その日は夕方からエスポワールで模擬挙式が行われるらしい。
最近は仕事をしているカップルのために夕方からこういった集客のための催しを行うことも少なくないと聞いた。
イベントのある日ならば、神永さんも会場にいることが多いとのことだ。少ししか時間が取れないかもしれないとは、最初から釘をさされていた。
しかし課長と芽衣子さんからの日増しに強くなる圧力に耐えきれなくなっていた。わたしはたとえ少しでも話をしておきたかったのだ。
約束の時間は十六時半。十八時には模擬挙式があるのでそれまでには少し時間を取ってもらえる話になっている。途中で電話や緊急の用事で神永さんが席を立っても話ができるように長めに時間を取ってもらった。
約束の時間の十分前。大きなアイアンゲートをくぐる。今日はイベントを行うためか、先日はグリーンのリースだけでシンプルだったのに、今日は白いユリとリボンで飾り付けがほどこされていた。
門をくぐると、会場のスタッフがせわしなく準備をしているところだった。その中のひとりの若い男性がわたしの顔を見て、一瞬思案顔をした後、はっとした表情を浮かべてこちらに歩いてきた。
「あの! 先日は大変失礼しました」
目の前に来るなりいきなり頭を下げられて、頭のなかに「?」マークが何個も浮かぶ。顔をあげた彼の顔を見てやっと思い出した。
「あ! 先日の」
彼は先日、友達の披露宴のときにわたしにウーロン茶をこぼしてしまった人物だった。
最近は仕事をしているカップルのために夕方からこういった集客のための催しを行うことも少なくないと聞いた。
イベントのある日ならば、神永さんも会場にいることが多いとのことだ。少ししか時間が取れないかもしれないとは、最初から釘をさされていた。
しかし課長と芽衣子さんからの日増しに強くなる圧力に耐えきれなくなっていた。わたしはたとえ少しでも話をしておきたかったのだ。
約束の時間は十六時半。十八時には模擬挙式があるのでそれまでには少し時間を取ってもらえる話になっている。途中で電話や緊急の用事で神永さんが席を立っても話ができるように長めに時間を取ってもらった。
約束の時間の十分前。大きなアイアンゲートをくぐる。今日はイベントを行うためか、先日はグリーンのリースだけでシンプルだったのに、今日は白いユリとリボンで飾り付けがほどこされていた。
門をくぐると、会場のスタッフがせわしなく準備をしているところだった。その中のひとりの若い男性がわたしの顔を見て、一瞬思案顔をした後、はっとした表情を浮かべてこちらに歩いてきた。
「あの! 先日は大変失礼しました」
目の前に来るなりいきなり頭を下げられて、頭のなかに「?」マークが何個も浮かぶ。顔をあげた彼の顔を見てやっと思い出した。
「あ! 先日の」
彼は先日、友達の披露宴のときにわたしにウーロン茶をこぼしてしまった人物だった。