【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
「まぁ、いいでしょう。しかし多少のお仕置きはさせてもらいましょうか?」
「お、お仕置き?」
「シッ、歌が終わります」
彼が言った通り、すぐに歌が終わり会場は静かになった。
はぁ、なんとか追及されずにすんだけれど、お仕置きってなんだろう。まさかここまできたのに、契約の話なかったことにされるなんてこと……ないよね?
焦ったわたしは隣に立つ神永さんを見る。
しかし彼はじっと神父さんのほうを見ていて、思惑はわからない。
ひとり焦っていたけれど、そんなことはお構いなしに式は進んでいく。
だめだ、もう失敗をするわけにはいかない。
鬼の形相の課長の顔が思い浮かんで、わたしは式に集中する。
次は……っと。
「では、誓いのキスを」
そうだ。ここはえーっとたしか、神永さんにベールを上げてもらうんだった。
わたしは彼の方を向き、少し身を屈める。するとゆっくりとベールが持ち上げられて、背中の方へと綺麗に整えてくれた。
その後一歩彼が近づいてくる。
実は……ここが一番緊張する場面だ。模擬挙式だからもちろんキスはしない。けれどフリはしなくてはならない。恋愛経験の乏しいわたしには、このフリでもかなり高いハードルだ。
神永さんがわたしの肩に手を置いた。そしてじっとわたしの目を見つめる。
ドキドキして心臓が口から飛び出しそうだ。
「お、お仕置き?」
「シッ、歌が終わります」
彼が言った通り、すぐに歌が終わり会場は静かになった。
はぁ、なんとか追及されずにすんだけれど、お仕置きってなんだろう。まさかここまできたのに、契約の話なかったことにされるなんてこと……ないよね?
焦ったわたしは隣に立つ神永さんを見る。
しかし彼はじっと神父さんのほうを見ていて、思惑はわからない。
ひとり焦っていたけれど、そんなことはお構いなしに式は進んでいく。
だめだ、もう失敗をするわけにはいかない。
鬼の形相の課長の顔が思い浮かんで、わたしは式に集中する。
次は……っと。
「では、誓いのキスを」
そうだ。ここはえーっとたしか、神永さんにベールを上げてもらうんだった。
わたしは彼の方を向き、少し身を屈める。するとゆっくりとベールが持ち上げられて、背中の方へと綺麗に整えてくれた。
その後一歩彼が近づいてくる。
実は……ここが一番緊張する場面だ。模擬挙式だからもちろんキスはしない。けれどフリはしなくてはならない。恋愛経験の乏しいわたしには、このフリでもかなり高いハードルだ。
神永さんがわたしの肩に手を置いた。そしてじっとわたしの目を見つめる。
ドキドキして心臓が口から飛び出しそうだ。