家庭訪問は恋の始まり
彼女の失敗は、Accueil(アクィーユ)の失敗となるのだから。

俺は勤務して3年目の春、24歳の時、店長に抜擢された。

従業員は、ほとんどが俺より年上。

こんな若造になんで指示されなきゃいけないのか、納得がいかない者も多かった。

だから、俺が指示しても動かない者もいる中、彼女だけは、素直に俺の言う事を聞いてくれた。

だから俺は、勤務時間外でも彼女と過ごす事が多くなった。

食事に行ったり、飲みに行ったり…

俺は25歳になったある日、飲んだ帰り、酩酊状態の彼女を家に送って行き、ふらつく彼女を支えて、彼女の1Kの部屋に初めて入った。

彼女をベッドに座らせ、帰ろうとすると、腕を引かれた。

何事かと振り返ると、彼女が立ち上がり、首に腕を回して抱きついてきた。

「店長、好きです。」

俺はそう言われて、舞い上がった。

俺も多少酔っていたんだろう。

そのまま、彼女の求めるままに関係を結んでしまった。

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