家庭訪問は恋の始まり
「………うん。」

「どうしてけがをしたのかな?
嘉人さん、知ってる?」

「……… うん。」

「じゃあ、教えて。
どうして、礼央さんは、けがをしたの?」

「……… 僕が押したから。」

「そう。
嘉人さんが押したのね?
どうやって?」

「ブランコの横から、ドン!って。」

「何で?」

「代わって!って言ったのに、
全然代わってくれなかったから。」

「そう。
それは、嫌だったね。
でも、嫌な事されたら、押してもいいのかな?」

嘉人くんは、黙って首を横に振る。

「そうだよね。ダメだよね。
じゃあ、何で、ダメなのに、嘉人さんは
押したの?」

「……… 」

嘉人くんは答えない。

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