仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
しばらくぼんやりしたあと、家事を始めた。
掃除機をかけ、家具の埃を払う。二人暮らしなので大して汚れない為、モデルルームのような美しい部屋を維持出来ている。
終わると洗濯物を纏め、クリーニング業者に出すためにケースに入れた。
一希の分を自分で洗うのは止めていた。千夜子の言いなりになるけれど、どうでもいいとも感じていた。
(嫌いな私が洗濯するなんて嫌だろうし)
昼前には家事が完了した。他に用事は無い。
最近は空いてる時間を、部屋で読書をしたり、広大な敷地内を散歩をしたりして過ごしていた。
けれど、今日からはやるべきことがある。一希について調べるのだ。
まずは彼が書斎として使っている部屋に向かった。
結婚前に書斎には入るなと厳命された為、一度も立ち入ったことのない部屋だ。
絶対に入るなと言うくらいだから、人に見られたら困るものが置いてあるのだろう。けれど、
(本当に開けていいの?)
躊躇いを覚え、その場で佇む。
無断で部屋に入り家探しをすることに、抵抗があるのだ。良心が咎める。
(でもこのまま何もしなかったら、きっと私が陥れられる)
相手は、あの一希と千夜子なのだ。
(今まで散々酷い扱いをされたじゃない)
躊躇いを消す為に、屈辱を受けた記憶を思い浮かべる。
意を決し緊張しながらドアノブに手をかけ、力を込めて回そうとする。
けれど、殆ど動かなかった。
「……鍵をかけてるの?」
今まで入ろうとしなかったから知らなかった。
鍵までかけているなら美琴に釘を差す必要など無かったではないか。
苛立ちを覚えながらも、書斎に入るのは諦めてリビングに戻る。
掃除機をかけ、家具の埃を払う。二人暮らしなので大して汚れない為、モデルルームのような美しい部屋を維持出来ている。
終わると洗濯物を纏め、クリーニング業者に出すためにケースに入れた。
一希の分を自分で洗うのは止めていた。千夜子の言いなりになるけれど、どうでもいいとも感じていた。
(嫌いな私が洗濯するなんて嫌だろうし)
昼前には家事が完了した。他に用事は無い。
最近は空いてる時間を、部屋で読書をしたり、広大な敷地内を散歩をしたりして過ごしていた。
けれど、今日からはやるべきことがある。一希について調べるのだ。
まずは彼が書斎として使っている部屋に向かった。
結婚前に書斎には入るなと厳命された為、一度も立ち入ったことのない部屋だ。
絶対に入るなと言うくらいだから、人に見られたら困るものが置いてあるのだろう。けれど、
(本当に開けていいの?)
躊躇いを覚え、その場で佇む。
無断で部屋に入り家探しをすることに、抵抗があるのだ。良心が咎める。
(でもこのまま何もしなかったら、きっと私が陥れられる)
相手は、あの一希と千夜子なのだ。
(今まで散々酷い扱いをされたじゃない)
躊躇いを消す為に、屈辱を受けた記憶を思い浮かべる。
意を決し緊張しながらドアノブに手をかけ、力を込めて回そうとする。
けれど、殆ど動かなかった。
「……鍵をかけてるの?」
今まで入ろうとしなかったから知らなかった。
鍵までかけているなら美琴に釘を差す必要など無かったではないか。
苛立ちを覚えながらも、書斎に入るのは諦めてリビングに戻る。