仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
(一希は本当は実家の状況を知っているんじゃないの?)
さっきから美琴の口から言わせようと質問して来るが、実は恵美子が全て話したのだとしたら……。
彼がどこまで把握しているのか分からないため、迷いながら返事をする。
「……以前よりは厳しいけど、弟たちの学費は祖父が払ってくれているわ」
「久我山さんが?」
「そうだけど」
一希は気にいらないのか、顔をしかめる。
「そんな話は聞いていない」
「私が祖父にお金を貰ってる訳じゃないんだから、一希が気にする必要はないと思うけど」
なぜ、いちいち機嫌を悪くするのか理解できない。
(本当に一希の考えは分からない)
結婚してから一度も彼の内面を理解できたことはない。
美琴に対する態度はいつだって無関心か怒っているか。心が通じるはずがないのだ。
「ねえ、こんな話し合いしてもお互い疲れるだけでしょう? 私はお金を増やして欲しいと思っていないし、恵美子さんにも二度と一希にそういった話をしないように言っておくわ。だからもうこれで終わりにしない?」
「そう言う訳にはいかない」
頑なな彼の態度にうんざりしてしまう。
さっきから美琴の口から言わせようと質問して来るが、実は恵美子が全て話したのだとしたら……。
彼がどこまで把握しているのか分からないため、迷いながら返事をする。
「……以前よりは厳しいけど、弟たちの学費は祖父が払ってくれているわ」
「久我山さんが?」
「そうだけど」
一希は気にいらないのか、顔をしかめる。
「そんな話は聞いていない」
「私が祖父にお金を貰ってる訳じゃないんだから、一希が気にする必要はないと思うけど」
なぜ、いちいち機嫌を悪くするのか理解できない。
(本当に一希の考えは分からない)
結婚してから一度も彼の内面を理解できたことはない。
美琴に対する態度はいつだって無関心か怒っているか。心が通じるはずがないのだ。
「ねえ、こんな話し合いしてもお互い疲れるだけでしょう? 私はお金を増やして欲しいと思っていないし、恵美子さんにも二度と一希にそういった話をしないように言っておくわ。だからもうこれで終わりにしない?」
「そう言う訳にはいかない」
頑なな彼の態度にうんざりしてしまう。