仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
今までも言い争いはして来たけれど、ここまではっきりと“離婚”の意思を伝えたのは初めてだ。
一希は驚いたように目を見開く。
しかしすぐに動揺は消え、蔑むような目で美琴を見据えた。
「離婚なんて出来るわけがないだろう」
「どうして? 一希だって私との暮らしにうんざりしているでしょう? 離婚したらこんなふうに言い争うこともなくなるわ」
一希は大きなため息を吐いた。
「大勢の親族、会社関係者を呼んで披露宴をしたばかりなんだぞ。久我山さんだって離婚を認めるはずがない」
「確かに非常識かもしれない。披露宴に来てくれた人達には申し訳ないと思うわ。でも出来ないことはないでしょう? お義母様が離婚って言うくらいなんだから。祖父への説明は私がするわ。もうこれ以上我慢できないって」
それで祖父が納得するとは思えないが、今は自分でも驚くくらい一希を拒否する気持ちが膨らみ抑えられない。
「久我山さんへの説明は不要だ。俺は離婚に同意する気はない」
宣言されて美琴は息を呑んだ。
「どうして? 離婚しないで一希はどうする気なの?」
「どうもしない、これまで通りだ」
「それが嫌なの! 私はもう無理だから!」
頑なな一希に対して苛立ちがこみ上げる。
一希は驚いたように目を見開く。
しかしすぐに動揺は消え、蔑むような目で美琴を見据えた。
「離婚なんて出来るわけがないだろう」
「どうして? 一希だって私との暮らしにうんざりしているでしょう? 離婚したらこんなふうに言い争うこともなくなるわ」
一希は大きなため息を吐いた。
「大勢の親族、会社関係者を呼んで披露宴をしたばかりなんだぞ。久我山さんだって離婚を認めるはずがない」
「確かに非常識かもしれない。披露宴に来てくれた人達には申し訳ないと思うわ。でも出来ないことはないでしょう? お義母様が離婚って言うくらいなんだから。祖父への説明は私がするわ。もうこれ以上我慢できないって」
それで祖父が納得するとは思えないが、今は自分でも驚くくらい一希を拒否する気持ちが膨らみ抑えられない。
「久我山さんへの説明は不要だ。俺は離婚に同意する気はない」
宣言されて美琴は息を呑んだ。
「どうして? 離婚しないで一希はどうする気なの?」
「どうもしない、これまで通りだ」
「それが嫌なの! 私はもう無理だから!」
頑なな一希に対して苛立ちがこみ上げる。