仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
「一希は観原千夜子の良いところしか見ていない。だって彼女は一希の前では本性を隠しているから。私とふたりだけの時の態度を見たらきっとびっくりすると思うわ」
「以前言っていた美琴に挨拶をしないことか? 千夜子は美琴に不快に思われていると分かっている。だから遠慮しているのだろう」
「あの人が遠慮? そんな訳ない。私の前でも一希のベッドで堂々と横になっていたくらい厚かましいのに」
思わず失笑してしまう。一希は眉をひそめた。
「その話も信じられない」
「私が嘘を言っているっていいたいの? 違うから。でも一希に信じて貰わなくてもいいわ」
一希はなにを考えているのか、難しい顔で黙り込む。
「一希も観原千夜子も私に対して驚くくらい無神経で無礼だから関わりたくないの。今日偶然でも彼女に見られていたと思うだけで嫌」
「……それは感じ方の問題だろう? 俺たちに悪気はない」
「そうやって妻以外の女性と俺たちと括って言うこと事体が無神経だって分からないの? それにリビングに彼女と一緒に映っている写真を放置していたけど、あれも私が見たらどう思うか少しも考えなかったの?」
「写真?」
一希は怪訝な表情を浮かべたあと、はっとした様子になった。美琴の言う“写真”がなにか思い至ったのだろう。
「以前言っていた美琴に挨拶をしないことか? 千夜子は美琴に不快に思われていると分かっている。だから遠慮しているのだろう」
「あの人が遠慮? そんな訳ない。私の前でも一希のベッドで堂々と横になっていたくらい厚かましいのに」
思わず失笑してしまう。一希は眉をひそめた。
「その話も信じられない」
「私が嘘を言っているっていいたいの? 違うから。でも一希に信じて貰わなくてもいいわ」
一希はなにを考えているのか、難しい顔で黙り込む。
「一希も観原千夜子も私に対して驚くくらい無神経で無礼だから関わりたくないの。今日偶然でも彼女に見られていたと思うだけで嫌」
「……それは感じ方の問題だろう? 俺たちに悪気はない」
「そうやって妻以外の女性と俺たちと括って言うこと事体が無神経だって分からないの? それにリビングに彼女と一緒に映っている写真を放置していたけど、あれも私が見たらどう思うか少しも考えなかったの?」
「写真?」
一希は怪訝な表情を浮かべたあと、はっとした様子になった。美琴の言う“写真”がなにか思い至ったのだろう。