仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
今夜早く帰って来たのは、鈴本家の調査結果が届いたからだった。
ビジネスバッグからそれなりの厚みのあるファイルを取り出す。
ファイルを一枚目から捲り、ゆっくりと内容を確認していく。
前半は美琴の身上調査。幼い頃からの経歴と特筆すべき事項が記されている。
一希の想像とは違う美琴の人生を垣間見た。
彼女は久我山家の令嬢として不自由なく暮らしていた訳ではなかった。
祖父に我儘を言えるような環境とは思えなかった。
その事実に、複雑な気持ちになる。
後半は、鈴本家の状況についてだったが、一希が想像していた以上に問題があった。
自宅店舗で営んでいる文具店はほぼ休業状態で、美琴の父親がいた頃に取引があった先からは対応の悪さを理由に契約を切られており、窓口販売もしていないので殆ど収入がない状態だ。
店舗兼自宅の土地は鈴本氏が相続で受け継いだものだ。建物は約十年前に建て替えており、現金で清算したようでローンはないが二年まえに購入した大型車や、六人の子供達の習い事の費用など生活費はかなりかかっているようだ。
週に三回程、家事ヘルパーが通っている。
ビジネスバッグからそれなりの厚みのあるファイルを取り出す。
ファイルを一枚目から捲り、ゆっくりと内容を確認していく。
前半は美琴の身上調査。幼い頃からの経歴と特筆すべき事項が記されている。
一希の想像とは違う美琴の人生を垣間見た。
彼女は久我山家の令嬢として不自由なく暮らしていた訳ではなかった。
祖父に我儘を言えるような環境とは思えなかった。
その事実に、複雑な気持ちになる。
後半は、鈴本家の状況についてだったが、一希が想像していた以上に問題があった。
自宅店舗で営んでいる文具店はほぼ休業状態で、美琴の父親がいた頃に取引があった先からは対応の悪さを理由に契約を切られており、窓口販売もしていないので殆ど収入がない状態だ。
店舗兼自宅の土地は鈴本氏が相続で受け継いだものだ。建物は約十年前に建て替えており、現金で清算したようでローンはないが二年まえに購入した大型車や、六人の子供達の習い事の費用など生活費はかなりかかっているようだ。
週に三回程、家事ヘルパーが通っている。