仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
一希とも会えないまま月日は流れ、美琴には家族が増えていった。
大切な家族との暮らしは幸せだったけれど、一希との思い出はいつも心に有った。
彼の言いつけを忘れずに勉強を頑張り、食事を大切にした。
高校生になった頃、一度一希を見かけたことが有った。
当時大学生の一希はすっかり大人の男性になっていて、精悍さに磨きがかかり近寄りがたい程の特別なオーラを放っていた。
胸がときめくのを覚えたけれど、声をかけられなかった。
彼の周りには沢山の男女がいて、幼馴染だからといって割り込める雰囲気ではなかったから。
幼い頃は簡単に言えた、好きという想いを、もう伝えられなくなっていた。
それから、数年後。
自身も大人になった美琴は、一希と再び対面した。
今度は正式な婚約者として。
相手の名前を知り喜びにあふれていた美琴は、けれど彼の顔を間近で見た瞬間、凍りついた。
冷ややかな視線。まるで憎まれているような。
婚約者となった神楽一希に、昔の面影は一切残っていなかったのだ。
大切な家族との暮らしは幸せだったけれど、一希との思い出はいつも心に有った。
彼の言いつけを忘れずに勉強を頑張り、食事を大切にした。
高校生になった頃、一度一希を見かけたことが有った。
当時大学生の一希はすっかり大人の男性になっていて、精悍さに磨きがかかり近寄りがたい程の特別なオーラを放っていた。
胸がときめくのを覚えたけれど、声をかけられなかった。
彼の周りには沢山の男女がいて、幼馴染だからといって割り込める雰囲気ではなかったから。
幼い頃は簡単に言えた、好きという想いを、もう伝えられなくなっていた。
それから、数年後。
自身も大人になった美琴は、一希と再び対面した。
今度は正式な婚約者として。
相手の名前を知り喜びにあふれていた美琴は、けれど彼の顔を間近で見た瞬間、凍りついた。
冷ややかな視線。まるで憎まれているような。
婚約者となった神楽一希に、昔の面影は一切残っていなかったのだ。