仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
医師が来るまでの一時間、医療に関して素人の美琴に出来る事は少ない。
それでも弟達が風を引いて寝込んでいた時を思い出しながら準備をした。
汗をかいた時の為に着替えとタオルとシーツの予備の準備。
水分不足にならないように飲み物と、高熱を少しでも抑える為の氷枕を用意する。
寝室に戻り水を一希のベッド脇のサイドテーブルに置く。
氷枕を持って来たことを告げると、頭を上げてくれたので手際よく普通の枕と交換した。
「先生が来るまでに熱を確認した方がいいわ」
体温計を差し出すと、それも受けとり、測ってくれた。
「……三十九、五度」
体温計が表示している数値に、美琴は目を瞠る。
予想以上の高熱だった。これでよく仕事に行けたものだと思う。
(でも、今日はもうゆっくりしておくべきだわ)
「一希、熱がかなり高いから先生が来るまで静かに寝ていて。私は隣の部屋にいるから。心配だからときどき様子を見にくるからね」
一希は嫌だと言うだろうか。
不安になりながら返事を待っていたけれど、彼は力なく頷いただけだった。
それでも弟達が風を引いて寝込んでいた時を思い出しながら準備をした。
汗をかいた時の為に着替えとタオルとシーツの予備の準備。
水分不足にならないように飲み物と、高熱を少しでも抑える為の氷枕を用意する。
寝室に戻り水を一希のベッド脇のサイドテーブルに置く。
氷枕を持って来たことを告げると、頭を上げてくれたので手際よく普通の枕と交換した。
「先生が来るまでに熱を確認した方がいいわ」
体温計を差し出すと、それも受けとり、測ってくれた。
「……三十九、五度」
体温計が表示している数値に、美琴は目を瞠る。
予想以上の高熱だった。これでよく仕事に行けたものだと思う。
(でも、今日はもうゆっくりしておくべきだわ)
「一希、熱がかなり高いから先生が来るまで静かに寝ていて。私は隣の部屋にいるから。心配だからときどき様子を見にくるからね」
一希は嫌だと言うだろうか。
不安になりながら返事を待っていたけれど、彼は力なく頷いただけだった。