仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
黙り込む美琴に、慧はどこか寂しそうに微笑んだ。
「弁解する必要ないだろ? 神楽さんは確かに美琴に酷い態度を取っている。今だって何を考えているのか分からないし傍からみたら決して良い夫とは言えない。でも美琴はそれでも好きなんだろ? それでいいんじゃないか?」
慧の言葉は美琴を激しく混乱させた。
「でも前は慧だって離婚した方がいいって態度だったでしょう? あの頃だって慧のことだから私の気持ち見抜いてたはず。それなのにどうして急に意見を変えるの」
「当時は神楽さんと続けても美琴が不幸になるだけだと思っていたからな。でも実際彼と話してみて考えが変わった」
「それ、さっきも言ってたね」
慧が適当なことを言うとは思えないが、納得は出来ない。
(一希が私のことをちゃんと考えてくれてる? こんなに放置されているのに?)
「しっかり話し合って来いよ。それで駄目だったら俺のところに来たらいい」
「え?」
「美琴ならいつでも受け入れるから」
いつもの軽口のはずなのに、なぜかふざけているようには思えない。
(なんか……普段とちがう?)
戸惑っていると慧はふっと笑った。
「俺こう見えて結構好条件なんだぜ?」
いつもの調子に戻った彼の様子にホッとして、美琴も笑った。
「そんなの知ってるよ。慧はイケメン御曹司だもの。女の子にも凄くモテルって聞いたよ?」
「そんな俺が待機してるんだから、美琴は安心して神楽さんと話して来いよ。迷惑だとか考えてる場合じゃない。最後のチャンスかもしれないんだからな。」
「弁解する必要ないだろ? 神楽さんは確かに美琴に酷い態度を取っている。今だって何を考えているのか分からないし傍からみたら決して良い夫とは言えない。でも美琴はそれでも好きなんだろ? それでいいんじゃないか?」
慧の言葉は美琴を激しく混乱させた。
「でも前は慧だって離婚した方がいいって態度だったでしょう? あの頃だって慧のことだから私の気持ち見抜いてたはず。それなのにどうして急に意見を変えるの」
「当時は神楽さんと続けても美琴が不幸になるだけだと思っていたからな。でも実際彼と話してみて考えが変わった」
「それ、さっきも言ってたね」
慧が適当なことを言うとは思えないが、納得は出来ない。
(一希が私のことをちゃんと考えてくれてる? こんなに放置されているのに?)
「しっかり話し合って来いよ。それで駄目だったら俺のところに来たらいい」
「え?」
「美琴ならいつでも受け入れるから」
いつもの軽口のはずなのに、なぜかふざけているようには思えない。
(なんか……普段とちがう?)
戸惑っていると慧はふっと笑った。
「俺こう見えて結構好条件なんだぜ?」
いつもの調子に戻った彼の様子にホッとして、美琴も笑った。
「そんなの知ってるよ。慧はイケメン御曹司だもの。女の子にも凄くモテルって聞いたよ?」
「そんな俺が待機してるんだから、美琴は安心して神楽さんと話して来いよ。迷惑だとか考えてる場合じゃない。最後のチャンスかもしれないんだからな。」