仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
「一希!」
彼の肩がびくりと揺れ、振り返る。
そして信じられないとでもいうように目を見開いた。
「美琴……なぜここに?」
「一希に会いに。迷惑だって分かってたけどどうしても伝えたいことが有って」
「伝えたいこと?」
美琴の行動の意図が掴めないのだろう。怪訝そうな顔をする。
「離婚届け書いたわ。昨日代理人に手渡したから今日提出されると思う」
「……そうか」
一希の表情が一瞬辛そうに歪んだ気がした。
美琴の胸も激しく軋む。
(本当にこれが最後の別れになるんだ)
だからこそどうしても言わなくてはならない。
「でもね、そんなことを言いに来たんじゃないの」
一希は戸惑った様子で美琴を見つめる。
「私、一希に嘘をついてた」
「嘘?」
「前に喧嘩した時に結婚相手なんて誰でも良かったって言ったでしょう? 本当は違うの。一希が結婚相手だってお祖父さんから言われたとき凄く嬉しかった。結婚したら一希と仲良くしたいと思っていたの。幼い頃一希と会ってからずっと忘れずに好きだったから」
一希の瞳が驚愕に揺れる。
激しく動揺した様子の彼に、美琴はつづけた。
「でも、結婚式の少し前に観原さんの存在を知らされて素直な気持ちが言えなくなった。結婚してからも一希は観原さんを大切にして私には冷たくて……私はとても傷ついてその悲しさを一希にぶつけてばかりだった。本当は仲良くしたいのに反対な態度ばかりとっていた」
「美琴、俺は……」
「私、一希が好きだった……今でも、本当は離婚なんてしたくないし離れたくないけど一希は私と居たら幸せになれないと分かってるからちゃんと別れる。でも……どうしても伝えたかったの。私は一希が好き。もう会えなくても忘れないから。一希も元妻に好かれていたんだってことを忘れないで欲しいの」
彼の肩がびくりと揺れ、振り返る。
そして信じられないとでもいうように目を見開いた。
「美琴……なぜここに?」
「一希に会いに。迷惑だって分かってたけどどうしても伝えたいことが有って」
「伝えたいこと?」
美琴の行動の意図が掴めないのだろう。怪訝そうな顔をする。
「離婚届け書いたわ。昨日代理人に手渡したから今日提出されると思う」
「……そうか」
一希の表情が一瞬辛そうに歪んだ気がした。
美琴の胸も激しく軋む。
(本当にこれが最後の別れになるんだ)
だからこそどうしても言わなくてはならない。
「でもね、そんなことを言いに来たんじゃないの」
一希は戸惑った様子で美琴を見つめる。
「私、一希に嘘をついてた」
「嘘?」
「前に喧嘩した時に結婚相手なんて誰でも良かったって言ったでしょう? 本当は違うの。一希が結婚相手だってお祖父さんから言われたとき凄く嬉しかった。結婚したら一希と仲良くしたいと思っていたの。幼い頃一希と会ってからずっと忘れずに好きだったから」
一希の瞳が驚愕に揺れる。
激しく動揺した様子の彼に、美琴はつづけた。
「でも、結婚式の少し前に観原さんの存在を知らされて素直な気持ちが言えなくなった。結婚してからも一希は観原さんを大切にして私には冷たくて……私はとても傷ついてその悲しさを一希にぶつけてばかりだった。本当は仲良くしたいのに反対な態度ばかりとっていた」
「美琴、俺は……」
「私、一希が好きだった……今でも、本当は離婚なんてしたくないし離れたくないけど一希は私と居たら幸せになれないと分かってるからちゃんと別れる。でも……どうしても伝えたかったの。私は一希が好き。もう会えなくても忘れないから。一希も元妻に好かれていたんだってことを忘れないで欲しいの」