仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
「ここが一希の居場所だよ。私だけじゃない、お義父さんだって何もかも知っているのに一希を想ってる」
「……え?」
「誰からも必要とされてないと思うと苦しいよね、私もそうだったからよく分る。でも一希は必要とされているんだよ、それを忘れないで」
泣きながら訴えると、背中に回った腕に力が籠った。
「もっと早くこうして話しあいたかった」
「今からじゃもう遅いの?」
「美琴を忘れようと決心した。新しい場所でやり直したいと……」
一希の震える声で、その想いを美琴は理解した。
居場所がないと言う通り、彼は全てを捨てている。財産も地位も、もう何も残っていないのだ。。
それにこの決断は彼が初めて自分の意思で行ったこと。今旅立つのを止められなかった。
「私、待ってる。いつか一希と再会出来ると信じて」
一希と別れたら美琴にも新しい暮らしが始まる。
それでも心までは変えられない。
「美琴、俺のことは忘れるんだ。その方が幸せになれるはずだ」
「いや、待ってるのは私の勝手だもの。一希になんて言われても変えないから」
一希は困ったように黙りこんでしまう。
けれどしばらくるすると、囁くように言った。
「一年後、またここで会えるか?」
「え?」
「その時、もし美琴の気持ちが変わっていなかったら、もう一度俺と結婚して欲しい」
思わず顔を上げると、一希の切ない眼差しと視線が重なる。
「……本当に? また私を奥さんにしてくれるの?」
「ああ、再会のときまでに美琴の夫として相応しくなれるよう努力する」
「私も……一希の本当の奥さんになれるように頑張るから」
悲しい涙は喜びの涙に変わり、あとからあとから溢れて行く。
一希がぎこちない手つきでそれを拭ってくれる。
離婚した日、初めて本当の夫婦になれたような気がしていた。
「……え?」
「誰からも必要とされてないと思うと苦しいよね、私もそうだったからよく分る。でも一希は必要とされているんだよ、それを忘れないで」
泣きながら訴えると、背中に回った腕に力が籠った。
「もっと早くこうして話しあいたかった」
「今からじゃもう遅いの?」
「美琴を忘れようと決心した。新しい場所でやり直したいと……」
一希の震える声で、その想いを美琴は理解した。
居場所がないと言う通り、彼は全てを捨てている。財産も地位も、もう何も残っていないのだ。。
それにこの決断は彼が初めて自分の意思で行ったこと。今旅立つのを止められなかった。
「私、待ってる。いつか一希と再会出来ると信じて」
一希と別れたら美琴にも新しい暮らしが始まる。
それでも心までは変えられない。
「美琴、俺のことは忘れるんだ。その方が幸せになれるはずだ」
「いや、待ってるのは私の勝手だもの。一希になんて言われても変えないから」
一希は困ったように黙りこんでしまう。
けれどしばらくるすると、囁くように言った。
「一年後、またここで会えるか?」
「え?」
「その時、もし美琴の気持ちが変わっていなかったら、もう一度俺と結婚して欲しい」
思わず顔を上げると、一希の切ない眼差しと視線が重なる。
「……本当に? また私を奥さんにしてくれるの?」
「ああ、再会のときまでに美琴の夫として相応しくなれるよう努力する」
「私も……一希の本当の奥さんになれるように頑張るから」
悲しい涙は喜びの涙に変わり、あとからあとから溢れて行く。
一希がぎこちない手つきでそれを拭ってくれる。
離婚した日、初めて本当の夫婦になれたような気がしていた。