仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
千夜子が一希のベッドから降りるのを、美琴は不快感でいっぱいになりながら眺めていた。
タイトスカートを履いてはいるが、剥き出しの足。
どうしてそんな格好をしているのか、聞く気にもなれない。
千夜子はジャケットを拾い上げると、ゆったりとした動作で羽織る。
それが終わると、乱れた一希のベッドに腰掛け足を組んだ。
「あなたもタイミングが悪いわね」
「え?」
「戻りは六時ごろって一希が言ってたから、ゆっくりしていたのに」
千夜子のその言葉に、背筋が冷たくなった。
(私への嫌がらせじゃなかったんだわ!)
一希は美琴へ何かしたかった訳ではなく、ただ千夜子を寝室に入れたかっただけなのだ。
美琴が不在なのを知っていたから。
(もしかしたら、昨日も一昨日もこの人は来ていたのかもしれない……私のベッドも触ったのかも)
平然とジャケットを脱ぎ捨てていたのだ。
せめて、美琴の持ち物には触れない、なんて気遣いが有るわけがない。
(なんて無神経なの……)
もはや同じ人間と思えなかった。
相手がどう思うかなんて気にもしない。ただ自分たちの欲望優先でやりたいようにやる。
(いえ……私が人間扱いされていないんだ)
一希も千夜子も、美琴を人格のあるひとりの人として尊重していない。
だからこんな酷い事が出来るのだ。
タイトスカートを履いてはいるが、剥き出しの足。
どうしてそんな格好をしているのか、聞く気にもなれない。
千夜子はジャケットを拾い上げると、ゆったりとした動作で羽織る。
それが終わると、乱れた一希のベッドに腰掛け足を組んだ。
「あなたもタイミングが悪いわね」
「え?」
「戻りは六時ごろって一希が言ってたから、ゆっくりしていたのに」
千夜子のその言葉に、背筋が冷たくなった。
(私への嫌がらせじゃなかったんだわ!)
一希は美琴へ何かしたかった訳ではなく、ただ千夜子を寝室に入れたかっただけなのだ。
美琴が不在なのを知っていたから。
(もしかしたら、昨日も一昨日もこの人は来ていたのかもしれない……私のベッドも触ったのかも)
平然とジャケットを脱ぎ捨てていたのだ。
せめて、美琴の持ち物には触れない、なんて気遣いが有るわけがない。
(なんて無神経なの……)
もはや同じ人間と思えなかった。
相手がどう思うかなんて気にもしない。ただ自分たちの欲望優先でやりたいようにやる。
(いえ……私が人間扱いされていないんだ)
一希も千夜子も、美琴を人格のあるひとりの人として尊重していない。
だからこんな酷い事が出来るのだ。