仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
「……分かった。朝食後に出ることにする、それでいいか?」
渋々かもしれないけれど、一希が美琴に意見を譲った。
美琴はホッとして微笑む。
「うん、それでいいわ。ありがとう」
「……向こうの部屋で仕事をしている。朝食が届いたら知らせてくれ」
「分かった」
一希はビジネスバッグを持つと、もう一つのベッドルームへ行った。
美琴が昨夜寝た部屋よりも一回り小さなツインルームだ。
パタリと扉が閉まると、美琴はさっきまで彼が座っていたソファーにドサリと腰を下ろした。
背もたれに背中任せるようにして上を向くと、立派なシャンデリアが視界に入った。
(照明まで豪華。このシャンデリアいくらくらいするのかな?)
ふと、そんな事を考えてしまう自分がいて、自嘲した。
神楽グループの後継者の妻としては、相応しくない思考だろう。
(でも、価値観って簡単には変えられないよね)
美琴は、神楽グループのような資産家とは縁も所縁もない一般的な家庭で育った。
渋々かもしれないけれど、一希が美琴に意見を譲った。
美琴はホッとして微笑む。
「うん、それでいいわ。ありがとう」
「……向こうの部屋で仕事をしている。朝食が届いたら知らせてくれ」
「分かった」
一希はビジネスバッグを持つと、もう一つのベッドルームへ行った。
美琴が昨夜寝た部屋よりも一回り小さなツインルームだ。
パタリと扉が閉まると、美琴はさっきまで彼が座っていたソファーにドサリと腰を下ろした。
背もたれに背中任せるようにして上を向くと、立派なシャンデリアが視界に入った。
(照明まで豪華。このシャンデリアいくらくらいするのかな?)
ふと、そんな事を考えてしまう自分がいて、自嘲した。
神楽グループの後継者の妻としては、相応しくない思考だろう。
(でも、価値観って簡単には変えられないよね)
美琴は、神楽グループのような資産家とは縁も所縁もない一般的な家庭で育った。