仮面夫婦~御曹司は愛しい妻を溺愛したい~
「ごめんなさい、ご挨拶がまだでしたね。わたくし、観原千夜子と申します。神楽一希の秘書でもあります」
慧に歓迎されていないと分からないはずがないのに、千夜子は堂々と名乗る。
慧に向ける微笑みは、女性らしく、引き込まれるような色気を感じる。
「葉月さんのご活躍は聞き及んでいますわ。ご実家のホテル業とは別に、個人的に新たな会社を立ち上げられたとか……」
(この人、本当に自分に自信があるんだ……)
そして、一希は完全に自分の味方だと信じている。
だから堂々と会話に割り込み、自己主張出来るのだ。
一希の友人も千夜子を褒め称えていた。
男性から見れば、千夜子は素晴らしい女性なのだろう。
たしかに、頭は切れるのだと思う。
美琴の知らない慧の情報をしっかり把握しているところから、勉強も欠かしてないのだろう。彼女なりに努力はしているのかもしれない。
(でも、私は認められない)
今、この場で妻である美琴の存在を無視し、一希の隣に当たり前のように立つ。
その態度が厚かましく、人を傷付けると、どうして一希もその友人も気付かないのだろう。
(もしかして、慧も?)
一見、感じの良い千夜子に絆されてしまっているのだろうか。
不安になりながら、慧の様子を伺う。
慧に歓迎されていないと分からないはずがないのに、千夜子は堂々と名乗る。
慧に向ける微笑みは、女性らしく、引き込まれるような色気を感じる。
「葉月さんのご活躍は聞き及んでいますわ。ご実家のホテル業とは別に、個人的に新たな会社を立ち上げられたとか……」
(この人、本当に自分に自信があるんだ……)
そして、一希は完全に自分の味方だと信じている。
だから堂々と会話に割り込み、自己主張出来るのだ。
一希の友人も千夜子を褒め称えていた。
男性から見れば、千夜子は素晴らしい女性なのだろう。
たしかに、頭は切れるのだと思う。
美琴の知らない慧の情報をしっかり把握しているところから、勉強も欠かしてないのだろう。彼女なりに努力はしているのかもしれない。
(でも、私は認められない)
今、この場で妻である美琴の存在を無視し、一希の隣に当たり前のように立つ。
その態度が厚かましく、人を傷付けると、どうして一希もその友人も気付かないのだろう。
(もしかして、慧も?)
一見、感じの良い千夜子に絆されてしまっているのだろうか。
不安になりながら、慧の様子を伺う。