誰からも愛されない・・その後

今日は、クライアントの案件で
アメリカに来ていた。
朝から天候が悪く心配していたが
まさか、雪で飛行機が飛ばないとは。

クリスマスイブで
ホテルも取れない。

レストランも満席で·····

だが、スタッフの人が
一つテーブルの人に声をかけてくれた
その人は、良いと言ってくれたみたいで
案内をしてくれた。
「すみません。おくつろぎのところ。」
と、言葉をかけると
顔をあげたその人は・・・・

彩心さんの先輩の大野 紫月さんだった。
お互いに驚いたが·····

大野さんは、はじめは
彩心さんの事があったから
良い印象ではなかった。
俺は、そのことを本人に詫びることも
できずに日本から出された話をした。
自業自得です。
兄からの解任
父からのやり直し宣告
母からは、口もきいてもらえず。
弁護士として
いったい、自分は何をしてきたのか
と。
俺の話をきいてから
次に彩心を傷つける事をしたら
日本へは、帰れないようにすると
言われた。
頭に置いて置きますと
言う俺に紫月さんは、
笑いだして。
そんな事、彩心は望まないから
と、言ってくれて
それからは、沢山の話をした。

すると紫月さんから
「泊まるとこは、とれたの?」
と、訊かれたから
「取れてないから
空港で一夜明かすつもりです。」
と、話すと
「じゃ、家に来たら?」
と、言われて
「そんなことできるわけない」
と、断ると
「知っているのに
     置いて帰れないわよ。」
と、怒られて
押し問答になり
「じゃ、お言葉に甘えて」
と、俺がおりた。

なら、飲み直しと決まり
アルコールやらつまみやらを買って
紫月さんのアパートメントに行った。

何を話しても紫月と俺は考え方や
好みが似ている。

なんとなく・・・
そんな雰囲気になり
身体を繋げた。

身体の相性もやはり良い
紫月は、意識を飛ばして寝てしまった。
俺も酒と久しぶりの快楽に
そのまま寝てしまった。

次の日・・・

動揺している紫月に
無理やりキスすると
紫月も思い出したようで
気持ち良さそうにしているから
再び愛しあい
ずっとベッドで過ごした。

夜には飛行機が飛び
イギリスへ戻った。

紫月は、今回だけの関係と諦めたような
顔をしているが
そんな事はしない。

俺の身体も心も
紫月を求めている。

一度、戻って依頼を片付けたら
紫月に気持ちを伝えにいく。
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