残念な王子とお節介な姫
「どうするって、どうしようもないんだけど、
どうしよう?」

俺は困って2人を交互に見た。

「逆にどうしたいねん?」

吉田が聞いてきた。

「………できれば、このままがいいんだけど、
ダメかな?」

「姫ちゃんを女としては見られないのか?」

春山が言う。

「見られないというか、考えた事もない。
美人だし、かわいいとは思うけど。」

「じゃあ、姫ちゃんに彼氏ができて、
もうお前の所へは行かないって言われたら、
どうする?」

「……… 仕方ないと思うけど…」

「嫌なんだろ?」

「………正直、嬉しくはないかな。」

「じゃあ、考えてやれよ。
今すぐじゃなくていいから。」

「うん…」

俺が放心状態で呆然としていたら、春山が笑った。

「しょうがねぇなぁ。
明日、姫ちゃんと飲みに行くぞ。
ちゃんと誘っとけよ。」

「は? なんで。」

「宮本に彼女を作るのは、俺のライフワーク
だからな。」

そう言って笑う春山と吉田に散々からかわれながら、2時間ほど酒を飲んで帰った。
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