残念な王子とお節介な姫
これ!?

「海翔!?」

「何?」

海翔は、にこにこ笑ってる。

「これ…」

「奈々は、いい子だから、サンタさんが
来たんだね。」

そんな訳、ないやん。


うちの右手の薬指に指輪がはまってる。

シルバー、いや、プラチナ?のリングに小さなサファイアをいくつも連ねたかわいいリング。

「ありがとう。海翔。」

「くくっ
お礼はサンタさんに言わなきゃ。」

「サンタさん、おおきに。」

うちは海翔に向かってゆうた。

「でも、なんで?
プレゼント、こうてくれたのに。」

海翔がこうてくれたプレゼントは、今、床に散らばってる。

「サファイア、誕生石だろ?
誕生日、一緒にいたのに、
祝ってやれなかったから。」

海翔…

「でも、サイズは?
うち、ゆうてませんよね?」

「前に、奈々がオススメしてくれた店に
行ったんだ。
奈々、あの店のアクセサリーが好きなんだろ?
店の人に聞いたら、奈々のサイズは個人情報
だから教えられないけど、奈々のサイズで
指輪を作るのは大丈夫だって言うから、
お願いして来た。」

もう、めっちゃ幸せや。

うち、世界中が幸せに包まれてるクリスマスやのに、その中でも世界一幸せやわ。

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