残念な王子とお節介な姫
「さ、奈々、起きるよ。
今日は仕事なんだから。」

海翔に言われて、思い出した。

「はい!」

うちら、慌てて支度して、会社に行った。

うちは嬉しいて、電車の中でもずっと右手を眺めてた。

仕事中も、キーボードを打つ右手が目に入るたび、自然と顔が緩んでくる。

昨日、早く帰った分、終電まで頑張ったけど、それでも満ち足りた気分なのは、うちが世界一幸せやからやと思う。
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