残念な王子とお節介な姫

そこへお義母さんが割って入った。

「まぁまぁ、おめでたいじゃ、ありませんか。
結が選んだ人なんですから、大丈夫ですよ。」

お義母さんの言葉を聞いて、お義父さんは何も言えなくなった。


俺たちは、お義母さんが作ったお昼ご飯を食べてから、浜松を後にした。


「良かった、認めてもらえて。」

新幹線の中で、俺は言った。

「来週は、俺の両親に会ってくれる?」

俺がそう聞くと、結は、

「うん」

と頷いた。


結には、浜松から大阪行きの新幹線に乗るように言われたけど、俺は、どうしても結と一緒にいたくて、無駄だと知りながら、一緒に東京に向かう。

俺は、明日の始発の新幹線で大阪に帰ればいい。


結はどうしたんだろう?

前なら、帰らないでって泣いたはずなのに。

今日は、帰れと言わんばかりの扱い。

結、何があった?
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