残念な王子とお節介な姫
・:*:・:・:・:*:・

翌日。

「課長、病院、行ったんでしょ?
どうでした?」

姫が嬉しそうに聞いてくる。

こいつはなんで自分の事でもないのに、こんなに嬉しそうなんだ?

「ああ、やっぱり、妊娠してた。
1月に生まれるらしい。」

「ぅわぁ!
それは、おめでとうございます。
楽しみですね。」

「ああ。」

「課長、なんで、そんなクールなんです?
もっと、喜んだらいいやないですか。」

「いや、別にクールにしてるつもりもないん
だが。」

こいつ、ほんとによく人を見てるよな。

なんでそんなに人の事が分かるんだ?




「………課長、聞いてもいいですか?」

「ん? なんだ?」

仕事の事だと思った俺は、姫の席に椅子を滑らせて、ディスプレイを覗き込んだ。

だけど、そこには、質問が必要だと思われるようなものは何も表示されてなくて…

姫の顔を見ると、表情がさっきまでとは全然違って…
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