愛のない部屋
横になりながら、つくずく思う。
自己中な女だと。
部屋を後にしてから、残された3人は気まずい思いをしていないだろうか。
私が空気を重くしてしまったのなら、最悪だ。
「秘密を告白か……」
暗闇で天井と、にらめっこ。
初めて付き合った15歳年上のアイツのことを、
タキにも詳しく話していない。
私の秘密は、ただひとつ。
愛されることのない、
恋をしていたことだ。
そんなことが秘密なんて大袈裟だと笑われるかもしれないけれど、どうしても言いたくない過去だから。
墓場まで持って行こうと思う。
そんなことを考えていると、静かに扉が開いた。
廊下から漏れてきた光が眩しくて、目を閉じる。
起こさないように、そっと中に入ってきた気配がして、ーーあのキスが蘇ってきた。
"ばかっ、"
心の中でそっと舌打ち。
なに考えてるんだか…。
峰岸は布団には入らず、また窓際の椅子に移動したようだ。
あの席、気に入っているのかな。
もし今夜、あの時と同じように優しい口づけをされたら、眠ったフリをして受け入れられるような気がした……
なんて。
また旅行という雰囲気に流されているのかな。