愛のない部屋
小さな明かりだけ灯った部屋で、ひとつの布団に2人で座わることに違和感を覚えずにはいられない。
「おまえは俺が隣りで、寝ていても平気なわけ?」
乱暴な物言いは、いつもと同じ。
「平気だよ」
「…それじゃぁ、寝よう」
「ちょ……」
いきなり腰に手を回されたかと思うと、強引に布団へと舞い戻された。
「なんで……アンタも、私の布団で寝る、わけ?」
声が震えたのは怒りのせい。
間違っても緊張なんかじゃ……。
「滝沢さんがどうして罰ゲームを始めたんだと思う?」
「なに?」
峰岸は私の布団に寝転がると、頬杖をついてこちらを見た。
「俺の秘密を打ち明けさせるため、だってさ。さっき舞さんが教えてくれた」
「秘密を打ち明けさせて、どうするのよ?」
再度、起き上がろうとする。
「おとなしくしてろ」
暗闇に溶け込んでしまいそうな低い声に、従うわけにはいかない。
「アンタの命令なんか聞かないわよ」
立ち上がり、隣りの布団…つまり峰岸が寝る予定だった方に寝転がる。